逆まつげとは睫毛（まつげ）が本来の方向と違って、眼球の方に向かって生えている状態をいいます。原因は単一ではなく複数の疾患が関係しています。

症状について

視力にも影響が出ることがあります

睫毛が眼球に当たって色々な刺激症状が出て、慢性的に炎症を起こします。角膜を傷つけて細菌感染すると、視力にも影響が出ることがあります。

原因疾患

正常であれば、睫毛は眼球に触れません。下記疾患によって睫毛の方向が変わり、眼球に触れるようになります。

睫毛乱生症

外傷やまつ毛の毛根部の炎症により、睫毛の並び方や先端の向きが不ぞろいとなり、眼球に当たってしまう状態です。

睫毛内反症

眼瞼皮膚のひだにより、眼瞼縁が目の内方へ曲がり、睫毛が押さえ込まれて眼球に当たってしまう状態です。

眼瞼内反症

複数の要因が複合的に作用し、眼瞼がひっくり返って全体が内側に向いてしまうことで睫毛が眼球に当たってしまう状態です。

治療

原因疾患、年齢や重症度によって治療法が異なります。

睫毛乱生症の治療

軽症の場合は対症的に睫毛抜去を行いますが1ヶ月くらいですぐに再発するので繰り返し抜去する必要があります。根治的な治療法としては内側に向いた睫毛の毛根を破壊する電気分解術を行います。

睫毛内反症の治療

睫毛列切除術、睫毛移動術や睫毛電気分解術などの手術を行います。

眼瞼内反症の治療

患者年齢によって治療法が異なります。乳幼児にみられる先天性眼瞼内反症は、成長するにしたがって軽快することも多いので、様子を見ることが多いです。重症な角膜障害を伴う場合は手術が必要になります。中高年に多い加齢性眼瞼内反症は、自然治癒することがありませんので、手術が必要になります。手術方法としては皮膚切除法、埋没法やHotz法など色々な術式があります。個々の症例に応じて術式を選択します。